Q&A|探偵の始まり

探偵の始まり

探偵という仕事に、幼いころから憧れを抱いていた少年少女たち。
そんな子ども達が賢い大人になり、やがてお酒を知り、Barアンサーへ訪れると、決まって言うことは・・・。

「探偵って、いつどこで始まったんですか?」
それまでは小説や映画の世界に夢中だった青年も、いつかは事実を知りたくなる日がく来るんですね。
では、現役の私がそんな疑問にズバッと答えてあげましょう・・・と、言いたいところですが。
実のところ意外と難しい質問だったりするんです。

「ココが起源ですよ」と、ピンポイントでスパッと断言できるものではないんですよ。
でも、もしかしたら「ココらへんが始まりではないかな」と、個人的に言える時代的背景はいくつかあります。ではさっそく、それらをひとつずつあげてみましょう。

まずは発祥の国について。
これに関しては19世紀のイギリス産業革命が発端という説が浮上してきます。
その頃イギリスでは人口増加と工業の発達により、経済の動きが活発になりました。歴史的にも有名な革命で、この時代がなければ現代はなかったと言っても過言ではないほどです。
そんなイギリスでは、ライバル企業同士の競争や、売り手と買い手のかけ引きによる商売も急激な発展を見せました。
ではそこで重要になってくるのは、いったい何だったのでしょう。
それはズバリ情報です。新しい情報や相手の欠点などをいかに入手して分析し、戦略を練るのか。
買い手の素性をリサーチして、どのようにしたら欲求を掻き立てられるのかが、商品を売りさばくキーになったことでしょう。
そこで活躍したのが、今で言う探偵にあたる存在。ターゲットの情報収集に努め、よりメリットを生み出せるかが重要な働きとなっていたに違いありません。
特に保険業に関しては、情報収集がかなりの重要度を占めていたようです。保険加入者の経済状況や生活環境、さらには信用情報についても契約時には欠かせないツールとなります。
商品を確実に売るためには、あらゆる情報を照らし合わせてロスが出ないように商売することが、新しい時代で生き延びていくためには必要不可欠になっていったのです。
そこに情報屋はなくてはならない存在でした。

さて、次にあげる起源は、なんと我が国である日本。
この国でも昔から、情報が重要な役割を果たしていました。いくつにも分裂する派閥や組織が存在した時代で、その情報収集役を務めていたのは忍者でした。敵の城に忍び込み相手の策略を盗み出す。巧みな忍術で影となり侵入することもあれば、陽のごとく堂々と敵陣に入り込む忍び技はまさに仕事人ですね。立派な情報収集の一つであります。

この時代の忍者が探偵の最も古い歴史だとも思えますが、実はもっともっと昔にも連想させる行動があったそうです。それは都や建築物などがこの世に現れる時代を更にさかのぼり、人類の始まりとも言える紀元前まで戻ります。その頃の男性の職業といえば狩りです。早朝から獲物を探しに出ては、収穫がなければ夜も野原を駆け巡る。食べて生き延びるためには過酷な労働にも耐えなければなりませんでした。しかし、狩りに夢中になってばかりもいられなかったのです。男性は守るべき家族のために食料の収穫に繰り出すものの、そのあいだ妻が浮気をしているということもあったそうです。

いつの時代も変わらないものがあるんですね。
でもそんなことは言ってられません。浮気と言えば探偵です。
この時代も主人自らが役をこなし、狩りの傍らで妻の行動を見張っていたと言います。

ここまで見てみると、どんな時代にもこの仕事につながる仕事や行動があったと考えられるのではないでしょうか。現代も古代も共通して言えることは、「情報の運用」と「人間の嫉妬心」がポイントになるのではないかと私は思います。相手のことがもっと知りたくなるから情報を集めたくなる。人間には嫉妬心があるから、相手の行動を常に知っていたい。これら2つの要素がある限り、探偵という仕事はなくならないような気がします。

つまり、人間の生活がこの地球上で始まった頃から、情報収集という業務に類似した行動が行われていたと考えるのが良いのかもしれませんね。ある意味、人間の感情が作り出してしまった職業ではないでしょうか。


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