コラム|インド人もびっくり「インドの探偵事情」

インド人もびっくり「インドの探偵事情」

先日、ひょんなことからインド人と出会った。
別にインドに行ったわけではありません。ただ都内のBARで酒を飲んでいた時だ。そのインド人は仕事で日本に来ているらしい。話の流れから職業を聞かれたため職業を告げた。私の仕事を知るといろいろと聞いてくることに。

この手の話は探偵BAR「ANSWER」でなんども話しているため造作無いことだ。

危険な目にあったことはないか?
警察と合同調査をしたことはあるのか?
七つ道具ってどんなの?

質問は万国共通だ。インド人だって気になる。
ただBARとは違い、こちらからも気になる質問をしてみた。

インドの探偵ってどんなの?
やっぱり浮気調査とかばっかり?
インド人って嘘つかないの??

探偵業はさほど横のつながりが強いわけではありません。他社が何をしているか分からないことも多いのです。他社で失敗した人から業者の話を聞くがそれが真実なのかもわかりません。それが異国であれば尚更。国によっては免許制度を設けているところもある業種。やはり海外の業務内容やニーズというのは非常に気になる。内容次第では新たなビジネスが日本で生まれるかもしれないので興味本位で聞いてみた。

答えはこうだった。

インドの探偵ってどんなの?

インドにもやはりいるらしい。ただインド特有のものがそこにはある。
インドではいまだにカースト制に縛られているらしい。1950年にその制度は廃止されたが、5000年も続いた制度を50年で変えるというのは無理だったようで、特に地方都市ではいまだにこの制度は残っているようだ。カースト制は世界史の授業で習ったことがある。日本の士農工商的な身分差別だ。インドの場合はさらに細分化され、職業別に2000~3000ほどある。中には売春だけの仕事にしか就けない最下層のカーストも存在するようだ。身分差別的な要素だけではないようだが苦しんでいる人たちもいるらしい。

そんなインドで多い調査は「婚前調査」。どうやらどのカーストに所属しているかは姓名をみればわかるということだが、最近ではそれが難しくなってきている。そのためその人物を詳しく調べるらしい。日本でも昔からある部落調査のような差別調査だ。

また、インドではお見合い婚が多いらしい。新聞にお見合い相手募集の広告を出すくらい多いということだ。最近では恋愛結婚も増えているようだが、いまだ90%近い人が見合い結婚らしい。日本の結婚相談所と同じように身上書的なものを出しあうのだが、やはり見ず知らずの人と一度話しただけで結婚というのはのちのトラブルになる。それをさけるために事前に調べて、人となりを知るということらしい。

インドの婚前調査は一般化され、探偵業もウハウハだとのこと。差別的な部分があるため、正直賛同できないが、インドはインドなりのやりがあるらしい。やはり警察と合同調査ではなく民事の部分でしかしないようだ。

やっぱり浮気調査とかばっかり?

インドはイスラム圏。浮気は姦通罪となり重罪のようだ。国によっては死刑になるケースもある。重罪になるにもかかわらずインドでも浮気をする人はいるらしい。ただそれで争うやら離婚やらとはあまりならないとのこと。例えば夫が浮気をしておりそれを妻が知ってしまった場合、妻は「私に魅力がたりなかった」と考えるらしい。夫を詰めるより先にまず自己改革から。そんな感じなので浮気調査は少ないかもとのこと。浮気者にとってみれば願ったり叶ったりのインド。ただ、妻が訴えを起こせばすべてを失う可能性もある。そんなリスキーな不倫をするインド人はすごいと感心してしまう。

一般的に考えて浮気は悪いものだ。日本でも昔は罪に問われ禁固刑。極刑もあるような浮気を日常的にしている日本人というのもおかしなものだ。もっと言えばそれを糧にしている私たちも異様なものである。
ただインドでも浮気は日常的にある。世の中に男女がいれば理性を失うこともしばしば。人間の本来の姿である「種の保存」は万国共通のようだ。

インド人は嘘つかないの??浮気しないの??

インド人「私はインドに妻がいるが、インドでは浮気をしたことありません。浮気は妻を悲しませてしまう。インドでは浮気をしません。」


ん!?
では日本では??


インド人「日本でも浮気はしません。私は常に本気。日本でも本気です。わたしは嘘つかないけど他の人は分かりません。そもそも「インド人云々」ではなく「インディアン(ネイティヴ・アメリカン)嘘つかない」でしょ。それをいうなら「インド人もびっくり」アルよ。」

あんた、ほんとにインド人??流暢に「インド人もびっくり」なんて言うインド人がいるとは考えづらい。「インド人もびっくりアルよ」ってのも日本人的な発想。本当にインド人なの!?


インド人「わたしインド人。インド人嘘つかない」

インド人は嘘つかないようです。

月記メニューに戻る