探偵稼業
のほほ~んっと、店を営業しているオレ。
好きな音楽もかければ客も選ぶ。…と言いたいところだが、やっぱりお客様のニーズを聞かないワケにはいかない。
というか、つい聞いちゃう。
そういえば、記者時代、おもしろくないインタヴューでも笑顔を絶やさない迎合主義者だったオレ。
店をオープンしたからといって、急には変われんもんなのだ。
それは、悩みを胸に抱いた相談者がやってきたときも同じ。
すっかり話に聞き入ってしまい、気が付けば朝なんていうこともしばしば。
いやあ、がんばってるなあ。
しかし、お酒を飲みに来ているお客さんには、なかなか探偵っていう色をわかってもらえない。
一生懸命、探偵テイストを散りばめてみてるんだけどね。
「どこが探偵BARなの?」と言われ続ける毎日。
オレがいるからだっつーの!
店長を任せてるウチのハニー・上岡だって立派な探偵なんだよ?
十分じゃない! 十分じゃない?
じゃあ、また説明しなきゃいかんのだな…。
よ~し、よく聞いてよ。
あくまで、お客様本位、ご依頼人様次第。これがAnswerのモットーなのだ。
なぜなら、お客の方からカミング・アウトしてくるまで、相談したいことがあるのか、ただお酒を楽しみに来てるのかもわからん。
つまり、「実は友人がね…」という風に、当たり障りのない話題であれこれ聞き出し、じっくりとオレたちを吟味することができるからだ。
さて、相談する気にはなったものの、具体的にはどうすればいいのか?
ただ、相談したいと言えばいいだけ。
便利だろ?
込み入った話は、お店の個室でじっくりっちゅう感じだ。
それはそうと、今回は、最近の探偵事情について触れておきたい。
現代の調査は、単にそのものだけでは終わらない。
判明した事実を基に、別れさせ、復縁などの工作活動まで行って欲しいというニーズが高くなってきているのだ。
もちろんAnswerにも同様の依頼は多い。
だからといって、無茶苦茶な内容で、高額な費用を要求したりはしない。
変わりに「殺して!」なんていう復讐工作は受けれんけどな。
いずれにしても、工作っちゅうもんは、依頼人と二人三脚で進めていかなければいけないデリケートなもの。
通信工作、接触工作、お友達聞き出し工作など、予算に合った工作プランの構築から実施まで綿密に組み立てていくのがオレたち、探偵のお仕事っちゅうワケだ。
キマッたな!
あ、そうそう。
ウチの店では、ヒネリの利いた心理テストで本心がバレバレになっちゃうおもしろクイズも出題。
酒の肴にしてもらってけっこう好評なのだ。みんな、チャレンジしてくださいな!
さてさて、次回は、実際の現場でオレが遭遇した現実を教えちゃうよ。乞うご期待!