修行記|車両尾行のいろいろ ~車vs車のケース~

車両尾行のいろいろ ~車vs車のケース~

みなさん、2012年、明けましておめでとうございます。
年末から年をまたいで調査に明け暮れているバタバタの中ではありますが、みなさんへの御礼を込めて新年のご挨拶をお送りしたいと思います。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

さて、私たちにとっても特に12月からの忙しさは目が回るほどで、この年末年始にも都内・地方を問わず普段以上に様々な調査に出たり工作を進めたりしています。そういった中では当然、車両を使った尾行の機会も増えてきます。

徒歩や自転車で対象者を追跡するのとは違い、車両尾行には車両尾行の難しさがあるものです。
まずなんといっても一番に気を遣うポイントは「信号」です。
赤信号で対象車両と切り離されてしまうと、それがそのまま失尾ということにはならないにしても、それでもやはり状況としては黄信号です(ややこしいですね…笑)かと言って、目立ってしまったり違法行為をしたりしないという点は車両尾行でも同じなので、交通ルールの厳守は大前提となります。そのため、信号を守りつつ対象者から切り離されないように「信号に差し掛かるまでの運転」が肝になるわけですね。

道路の混雑状況によっても運転方法を変える必要があります。道が空いている場合と渋滞気味の場合とでは、対象車両のどれくらい後ろを走るか(間に他の車両を何台入れるか)が違ってきます。

イメージしていただけると思いますが、空いている場合は「すぐ後ろ」につける必要はないので適度な距離をとり、ちょっと混んできたなと思えば少し寄せるのです。

ただし、それも一応の目安でしかないため、その時その時の現場の状況(混雑具合以外の要素)によって判断を繰り返しながら微調整することが不可欠です。空いている場合でも必ずしも離れて走ることが最善とは限らず、たとえば車線が複数あるのであれば「距離をとる」代わりに「隣の車線を走る」ことで対象者の視界から見えにくくすることも可能ですよね。

天候や時間帯も大きな留意点になります。
晴天なのか雨天なのか、そして日中なのか夜間なのか、という見方だけでもパターンは4つに分かれます。そのそれぞれで運転の仕方はやはり異なり、それぞれの場合でメリット・デメリットがあるものです。たとえば雨の日ですが、一般的にドライバーたちは普段以上に運転に集中するため周りに目が行きにくい(=こちらの車両を認識されるリスクが限りなくゼロに近づく)と言える一方、特に夜間で雨が激しければ視界が悪くなるのはこちらも同じですから、どうしても対象車両に寄りめで追尾することになります。

もう一つ大きなポイントが、対象者の運転スピードです。徒歩尾行する時でも「歩くのが速い人」と「ゆっくり歩く人」の場合で追い方は変わりますが、車両尾行においてはそれ以上に対象者のスピードから受ける影響は大きいのです。

しかも、「速く走る人よりノロノロ運転の人が楽」というわけでは決してなく、どちらの場合でも注意しなければならない点があるのです。

皆さんが普段生活していて実感できるシーンはあまりないかと思いますが、「ノロノロ運転の車両にずっとついていく(しかも怪しまれずに)」ことは想像以上に技術が必要です。都内であればまだマシですが、地方の高速道路なんかでそれをされると実に厄介です。

徒歩の場合でもそうですが、車両尾行にも技術的な終点はありません。
実際の現場で得られる経験値だけでなく、結局は日頃の訓練がモノを言います。
今年も去年同様に、現場以外の走行訓練を積んでテクニック向上を続けていきます!

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