修行記|尾行 ~撮影の仕方~

尾行 ~撮影の仕方~

菅野です。
寒い冬も終わり嬉しい気候になってきました。花粉症の人が多く面取りが難しくなるというデメリットはありますが、やはり春や秋は暑すぎず寒すぎないので好きです。

―工作は相手あるものだから難しいかもしれないけど、
尾行だけだったらすぐできるようになりそうだよね―

そう思う方もいらっしゃると思います。確かに追うだけなら、追い切るだけなら、あるいは。

でもただ追うだけじゃないんです。
追う。記録する。撮影する。

記録は、追いながら携帯にメモします。
だからスマートフォンは使えない。
スマホは画面みないと入力できないですから失尾する可能性が高くなるんです。
どれだけ巷でスマホが流行っていようともガラケーは必須。
できれば電池の持ちがよくてカメラの性能が良いもの。
ずっと使っているわけですから、ロングの調査であればどんな携帯でも途中で電池切れになります。ですから、携帯充電器や交換用のバッテリー、車輌利用であれば車載充電器などを用意しておくことも必要になります。カメラの性能というのは、依頼人様に調査結果を報告するときに添付する画像を撮影するためです。

ただしこの撮影、いつも携帯のカメラで行うわけではありません。
最近の携帯は、折り畳みの上面ではなく下面、つまり本体のほうにカメラがついています。ですから携帯で写真を何度も撮るとけっこう目立つのです。
画面を見ているのに携帯を持っている向きが変、ということです。

じゃあ画面を見なければいいかというと、それもそれで難しいのです。
試しに携帯の画面を見ずに建物等の静止物を撮ってみてください。
きれいにフレームにおさめることは難しいと思います。
自撮りが得意な方もいらっしゃいますが、あれはレンズが自分のほうを向いているからできることなんだと思います。

一発できれいに撮れたという方は・・・素質があるかもしれません。
では、これが動いている人を撮るのだったらどうでしょう。
さらに難易度が上がります。
ズームして上半身のアップを撮ろうとしたら・・・?
もしこれを全て出来る方がいたら、ぜひその技を伝授していただきたいです(笑)

ただ写真というのは瞬間的なものです。
撮った瞬間、その直後に良いカットが撮れたのに!
ということが起こり得るわけです。
また、撮る瞬間に自分と対象者との間に人が通過すれば撮りなおさなければいけません。
だからどうするのかというと、ビデオカメラを使います。
ビデオカメラで撮影し、後で静止画をキャプチャする。
これによって良い画を撮ることができ、また撮り逃しも無くなるというわけです。

またこの撮影で難しいのは後姿だけ撮っていてもいけないということです。
後ろ姿だけでは、画を見たって本人かどうかわからないでしょう。
だから顔が見えるところまで回りこまなければいけません。
これが「追うだけ」とは一番違うところだと思います。

撮影しながら、携帯を使いながら、対象に見つからないように失尾しないように追う。
これが探偵の尾行です。

それではまた。菅野でした。

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