修行記|探偵たるもの一歩外に出れば……

探偵たるもの一歩外に出れば…

みなさんお久しぶりです、久米です。
すっかり春の陽気になって尾行中に汗ばむ日も珍しくなくなってきた今日この頃ですが、みなさんはいい汗かいてますか?(笑)

新年度に入り1ヶ月が経ちましたが、弊社でも新人の指導を一層厳しく進めています。
そんな中で私が後輩たちに言っていることの一つとして、「一歩家を出れば全て現場」ということがあります。
新米として力をつけていくためには、実際の案件に参加して場数を踏むことが大切なのは言うまでもありませんが、それ以外にも常日頃から取り組めることはあるのです。
それは、毎日の通勤時や休日を含めたプライベートの時にも常にそこが現場だと思って行動することです。
たとえば、色々なことを意識しながら歩くのは一番簡単にできて、かつ様々な項目について訓練することができるのです。

・これまでの1.5倍くらいのスピードで歩くようにする
→自分の基本速度を速めるとともに、ベースの体力もアップさせることができます。

・前方の信号(2つ先ぐらいまで)を意識しながら歩く
→車両尾行に限らず、徒歩で追跡する時も信号に対する意識は必要です。距離をとって尾行している際には信号の手前から走らなければならない場合もありますし、逆に対象者が渡らずに止まりそうであれば自分も歩みを緩めることになります。

・"街角の鏡"として使えそうなものを見つけながら歩く
→視線を常に対象者にロックオンしたまま追うのは、実際には考えものです。直接視線を向け続けるのではなく、周りにあるものを活用して適宜"間接的に見る"ことも大事な技術の一つなのです。

・"人間の傾向"を観察しながら歩く
→人間の一般的な性質や行動の傾向というのは、大多数の人に共通しているものも少なくありません。知っておくべき項目に関しては、実地の観察によって身をもって確かめておくと理解もスムーズになります。

歩くこと一つとってみても、ざっと挙げてこれだけの訓練ができるわけです。
時には、歩く方向が同じであれば実際の調査のつもりでランダムに対象者を決めて(決めさせていただいて…)、しばらく尾行しているイメージで歩いてみるのも効果的でしょう。

そしてもう一つ貴重な訓練場所になるのが電車内です。
そこでもやはり実際の調査をイメージしながら、車両に乗り込むところからアレコレ意識して行動してみるのです。
車内の混雑具合によって乗り込む位置は変えるべき(対象者と同じドアか隣のドアか)ですし、立つのか座るのかも含めた車内でのポジショニングも極めて重要なポイントです。
さらに、失尾しなければそれでいいというわけではなく、対象者を観察する中で可能な限りの情報を集めることも肝心です。それがそのまま、全般的な調査能力に直結することも少なくないからです。
電車通勤しているスタッフであれば毎日必ず2回は乗るわけですから、日常的な訓練にはもってこいの場所なのです。

その他にも、細かいことで言えば以下のような訓練(?)を私は推奨しています。
・すれ違う人の容姿や服装を瞬間的に頭の中で描写してみる
・目に留まる車があったら(色が目立ったからとかカッコイイからとか理由は何でもよい)、ナンバーを覚えてみる
・コンビニをはじめとする諸々の店舗にて、対応してくれた店員の名札や指輪の有無をチェックしてみる
・会計を終えて店外に出たら、その建物を張り込むのに適している場所はどこか?を考えてみる
・電車内で携帯で話している人がいれば、マナー違反を注意するのではなく、それとなく聞き耳を立てて内容を把握したり通話している相手について推測したりしてみる……etc.

やってみたところで意味はありませんし何も起こりませんが、そしてやり過ぎるとアブない領域にも入ってしまうので要注意ですが(笑)、要するに実際の調査で必要なことを常日頃から当たり前にやっておけば楽だろう、という理屈ですね。
職業病とも紙一重かもしれませんが、ごく健全な範囲で新人たちにも実践してもらいたいと考えています。
とにかく、「日々是修行」の精神で頑張ってもらわないと!!

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