修行記|尾行に気付かれない理由

尾行に気付かれない理由

まだまだ寒い日が続きますが、張り込み現場では何時間も待ち続けられる上杉です。
(ちなみにこの出だしを「ありきたりだね」と先輩探偵に突っ込まれました。。
なんだか悔しいので、来年も同じ出だしを書いちゃいますよ!)

今回はよく質問をされる「尾行していて気付かれないの?」という内容についてお話したいと思います。

上記の質問にお答えするのであれば、「気付かれません!」の一言です。

例えば有名人であれば、普段から警戒心が強いため周りに注意深いため、気付かれやすいかもしれません。
また、不倫相手と会う時は、どうしても警戒行動を取る人が多いため要注意です。
このような場合は、また違った尾行方法があるのですが、今回は一般的な人物を対象とするケースについてお話しします。

皆様は、普段の生活で周りの人物の顔や特徴を覚えていますでしょうか?
自分の好みの人物だったり、かなり特徴的であれば記憶に残りますが、それ以外は今日どんな人とすれ違ったのかすら
覚えていないですよね?
もっとも尾行は基本的に対象者の後ろにいるので、ちらりとも見られないことがほとんどですが。

私達は「探偵Bar アンサー」で何人もの方と接してきていますが、調査中に「あれ?あの人探偵じゃないっけ?」と思われない自信があります。
それはなぜでしょうか。

人の脳は、他人を覚える時その人物プラス周りの環境とリンクさせて記憶します。
お店の店員であればそのお店と、ママ友であれば子供が通っている学校とリンクして覚えます。
どんなに印象的な人物であっても、場所が変わると「〇〇さんに似てるけど違うような・・・」と思った経験はありませんか?
いつも会っている場所で顔を見ればすぐに同一人物と判断できますが、環境の違いで記憶のリンクは正確には働きません。
様々な環境の中で何度も顔を見合わせている間柄であれば、判断は早まってきます。
そのためアンサーの常連さんであっても、アンサー以外の場所では私達は気付かれないのです。

調査にも同じことが言えます。
調査員は尾行していると、少なからずターゲットの目に入ることもあります。
尾行と同時に撮影も必須なので、時にはターゲットの顔を撮るために走って追い越すこともあるのです。
しかし一度や二度目に入っただけで、「私尾行されている!」と思う人はほとんどいません。
それが三度目以上となると、どんどん怪しまれる可能性が高くなるので要注意ですが。

そこで調査員はよく変装をします。
漫画やドラマの世界のように全くの別人になるわけではありません。印象を変えるのみです。
眼鏡をかけたり上着を脱いだり、女性であれば髪型を変えるだけで印象はがらりと変わります。
人は顔などの細かな部分より、雰囲気や髪型など大まかな部分にまずは目が行きます。
その部分を変えることによって、尾行は一切気付かれません。
そして多少「あれ?さっき見た人っぽいな」と感じても、環境が違えば同一人物とはリンクしないのです。

逆にターゲットがこのように変装されてしまえば、調査員も大変です。
急に髪型や服装を変えたり、眼鏡ではなくコンタクトにしたなど、イメチェンされてしまえば探すのに一苦労です。
ただし、一度ターゲットを見れば鞄や靴、雰囲気、歩き方で判断できるので、見逃すことはありません。

欲を言えば、ターゲットには赤などの目立つ服を着ていてほしいと思っています。
更に欲を言えば、常に携帯を操作していてほしい、周りを一切見ないでほしいなどと考えている我々探偵でした。

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