修行記|探偵に必要なモノ

探偵に必要なモノ

探偵があまり人前に出ることはありません。
ほぼ全ての調査に共通しているのが「対象者を捕捉して尾行をする」という事だからです。
当然ながら目立ってはいけませんし、気付かれないように行うのが基本です。

しかし「探偵Bar アンサー」でバーテンダーとしてカウンターに立っている時には探偵ならではの話をお客様にお聞かせしています。
「調査って何をしてるの?」
「どんな依頼が多いの?」
「そもそも、おにーさんは探偵なの?」
これらは何回言われたか分からないほどよくある質問達です。

ここ最近「探偵にとって一番大事なもの(必要なこと)ってなに?」と、何度か続けて聞かれる事がありました。
これって別に珍しい質問ではないんです。
少なからず憧れや、興味を持っている人は多いので、探偵になるには何が必要か気になる事は自然です。過去にも何度か聞かれる事はありました。

聞かれた時は、ありきたりですが「忍耐力」なんて答えていた気がします。
別に適当に答えていた訳ではありません。実際にいつまで掛かるか分からない張り込みに耐えられる精神力は必要なのです。
自分が探偵になったばかりの頃の張り込み時には、何時間にも及ぶ張り込みのも関わらず自然と周囲に溶け込み、対象者が動きだすその瞬間まで集中力を切らさない先輩方を見て、尊敬の念を抱いていました。
確かにこれは、探偵にとって非常に重要な要素であるといえます。
ただ、「じゃあこれが一番大事か?」と聞かれたら少し考えてしまいますね。

探偵業界に入ろうという人達の多くは、以前別の業界で仕事をしていた、若くても20代半ば~の方と思われます。
「前は●●で●年ほど探偵やってました」なんて方はあまりいません。殆どの人達が未経験からのスタートなのです。

知り合いに10年以上美容師をやっているという方がいます。
彼女は、美容師として何年も従事しているうちに自然と「髪で人を見分けられるようになった」と言います。
髪のプロである彼女は、髪質、クセの形、生え際など人によって全く違う、その人だけの特徴をみて識別しているという訳です。
それも一瞬見ただけで分かるとの事です。ツルツルの対象者ならばアウトですが、もしも彼女が探偵だったらこれ以上ない捕捉のプロだったかもしれません。
もし、今から探偵になろうと思えば、心強い武器を持っていることになりますよね。

同じような案件でも、中身が同じという事は決してありません。その中で、自分のやってきた事、人生経験の何が調査に役立つか分かりません。
人の悩みを解決する「探偵にとって必要な物」って意外と、今までどんな人生を歩いてきたか。なのかもしれませんね。

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