修行記|"捕捉"ってナニ?

"捕捉"ってナニ?

捕捉とは?

―不特定多数の人の中から対象者を認識すること。

厳密に言えば、対象者の家がぽつねんとあり、そこから出て来た対象者を見つけることも捕捉ですが、こんなのは目をつぶっていてもできますね。探偵で無くても出来る仕事です。
探偵だからこその「捕捉」とは、人がわらわらいる所で、対象者を見つけ出す作業です。
例を挙げますと、勤務先のビルから退勤してきた対象者や、改札をくぐってきた対象者を、人ごみの中から瞬時に「あの人だ!」と見分けることです。

私は捕捉が結構得意だったりします。
気をつけていることは特にないのですが、なぜかピンとくるのです。まるでそこだけスポットライトが当たっているかのように、目立っているように感じるのです。
このように私に限っては100%感覚で行っているので、論理的に説明しようとすると大変難しいです。

何がその感覚の源となっているのか。
この場をお借りして普段無意識にしていることを文章に起こしてみたいと思います。

1、まず対象者の顔写真を脳裏に焼き付ける。目や鼻、あごのラインは重点的に焼き付けます。
2、身長が分かっている場合はこれも頭に入れておく。結構重要です。
3、お気に入りの持ち物情報(カバンなど)がある場合はこれもインプットする。
4、あとはひたすら対象者が現れるのを待つ。この際の注意点として、ぴりぴりした空気を出したり、目を凝らして「だれか探しています!」と丸わかりだと失格です。あくまで自然体で肩の力を抜いてリラックス。

4に関しては初めから先輩探偵に褒められました。
「女の子を待っている若者に見える」とのことでした。
「違うかなぁって半信半疑のときは大抵対象者じゃないんだよね。対象者のときはあれだ!ってピンとくる」とは大先輩のお言葉です。
このコメントを聞いた時、その通りだなぁと感心してしまいました。

やはりこの「ピンとくる」というものは、ある程度現場の数をこなさないと得ることができません。
私がピンと来るようになったのはいつごろでしょう?担当、つまり責任者として現場をまかされるようになったころからだと思います。

捕捉は調査の大前提です。ミスは許されません。その緊張感の中、不特定多数の人ごみの中から対象者を捕捉することは探偵の醍醐味の一つであると私は考えます。

皆さんも一度デートや待ち合わせのときに捕捉を試してみてください。 楽しいですよ。
ただ、好意を持っているだけで関係の無い人を対象に付け回すのはやめてくださいね。

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