コラム|とある復縁の形~春の特別スペシャル~

とある復縁の形~春の特別スペシャル~

土谷一樹です。
花見もしないうちに桜も散りはじめ、ゴールデンウィークも間近。
まさしく(?)春爛漫となってきました。
事務所の近くにある新宿中央公園で遅くまで花見客が奇声を発していたのもなくなり、静かな夜になってきました。

春といえばやはり別れと出会いの季節。
それに合わせるように弊社にも別れさせ工作、復縁工作の依頼が増加してまいりました。
転勤で彼が地方にいってしまい、遠距離恋愛になる。
すると現地でオンナを作り、別れ話となる…。
よくある構図ですが、これが大変!
新しい彼女は誰かを調査し、特定するところから入らないといけません。
そしてその二人の仲を切り崩し、元鞘におさめる工作へと展開するわけです。
ここで不肖土谷が経験した一連の流れをご紹介しましょう。

依頼人の女性は27歳の派遣事務、彼は同じ会社に勤める30歳の営業マンでした。
付き合って3年半。
そして転勤のため彼は神戸へ。
彼女は東京、彼は神戸と遠恋の始まりです。
営業マンということもあり、以前から彼は接待にかこつけて遊びが激しかったようです。それでもいちおう彼女の手前、自制していたようですが…。
彼女という縛りがなくなった彼は、交通費等お金がかかるということもあったのか神戸で新しい恋を見つけたようです。
そう、いわゆる二股ですね。

彼氏の異変に気づいた彼女は、彼に真相を確かめるために一路神戸へ。
結婚を視野に入れていた彼女にとっては、悲壮感漂う三都物語となったわけです。

話し合った結果、当初は遊びだったこと、今はどうしようか迷っていること、彼女の束縛がきつかったことが発端だったことが分かりました。
彼自身、彼女が結婚を欲していることはよくわかっていました。
しかしこれで本当にいいのかと思う自分がいたそうです。

そんな経緯から彼の新彼女を別れさせ、復縁したいと弊社に依頼されたのです。
彼は彼女との話し合いの中で、新彼女のことは問い詰められて、カマかけられても「彼女に迷惑が掛かるから」という理由で一切答えませんでした。
そのため彼の新彼女は誰?から始めることになりました。
依頼人の彼女も相手の女性のことを知りたいという要望がありましたし、何より相手が分からないことには、どのようなシナリオが有効なのかが分かりません。

早速土谷は神戸に飛びました。
神戸牛を食べることもなく、おいしいケーキに舌鼓を打つこともなく(実は甘党)たこ焼きをつまみながら週末の彼のアパートを張り込みました。
土曜日は動きがなく、肩を落としてホテルへ戻りました。
狭い車内で固まった筋肉をほぐし、花粉症と戦っていた目を洗い、明日こそはと気合を入れなおしました。
そのおかげか、翌日彼に動きが…。
自宅を出て、電車に乗り、神戸市随一の繁華街へ。
待ち合わせた女性とランチをキメ、そのまま逆戻り…。
彼の自宅で甘いひとときを過ごした後、彼女を最寄の駅まで送っていきました。
依頼人に見せる写真撮影はたっぷり済ませましたが、ここからが本命です。
電車を乗り換え、市バスに乗車し、帰宅する彼女のあとを尾行。
そしてなんとか彼女の自宅住所を特定できました。

次の日は彼女の勤務先特定です。
早朝から自宅近くに張り込み、バスに電車にと乗り継ぎ、無事に会社まで辿り着けました。
予想通りというかなんというか、彼女の勤務先は彼と同じ支店だったのです。

一通り相手の情報が収集できた時点で、作戦会議です。
今回のポイントとしては、社内恋愛であること、付き合って日が浅いこと、彼が営業マンで人当たりがいいこと、依頼人とは結婚について考えていたこと、依頼人と彼とは完全に切れていないこと、などが挙げられます。
そこで、彼と接触して彼の本音を探り、かつ復縁を説得していく友達工作と新彼女の元彼を作り上げ、その男が彼に対してあおりを掛ける工作の2点同時並行式で行うことになりました。
転勤したばかりで同性の友達が少ない彼に対して、まずは仕事絡みで接触。
そして酒を酌み交わし徐々に仲良くなり、女性関係の話を聞きだす。
そこでまず依頼人の話と彼の話が合致するか否かが分かります。
彼はこう思っているはず、といった思い込みや、彼女の前だからこう言ったけど本音は違う、などといったところが見えてくる。
それを元に友達工作のシナリオに微調整を加えていくのです。

彼はある意味ちょっとしたマリッジブルーでした。環境の大きな変化への不安に依頼人の結婚へのプレッシャーが重なり、そんな思いの中でやさしく手を差し伸べてくれた新彼女に気持ちが傾いていった…ということでした。
ここまで聞き出したことにより、ターゲットである彼との信頼関係は構築できたものと判断し、あおり工作をスタートさせました。
最初は強気の対応をしていた彼でしたが徐々に崩れていき、友達工作のスタッフに相談してくるようになりました。
待ってましたとばかりに新彼女との付き合いを止めるようにやんわりと説得。
そして同時に彼女(依頼人)のことを思い出させます。彼女も遠恋により鍛えられ今では逆にいい付き合いができるんじゃないかと問いかけてみました。

依頼人とも相談し、いったんここで彼を突き放して様子を見てみることに。
彼が自発的にどう動くかを監視しました。
そして2週間後、久しぶりに彼と接触。
彼は自分が結婚から逃げていたことがわかった、と友達工作のスタッフに酒の席で告げたのです。
この言質から今しかないというタイミングで依頼人に神戸に会いに行ってもらい、ダメ押しとしました。

このように書くと簡単に事が進んだかのように見えますが実際はナカナカ大変。
彼の性格把握からどういった説得方法がいいのかの検討という1点をとっても信頼を得るためにはどういう力関係がいいのか、同じ目線なのか上からなのか、自分の苦労話を引き合いにしたほうがいいのか、直接的な意見がいいのか…など様々なことを考えなければいけないのです。

弊社には浮気調査、人探し、盗聴器発見など様々なラインナップがありますが、どれも依頼人様やターゲットの状況にあわせて臨機応変に対応していかなければなりません。
別れさせ、復縁などの特殊工作の場合は特にそうなのです。

と、ここまで書いていると、横から例の怖い先輩が、「土谷もナマイキ言うようになったなー。」と釘を刺すひと言…。
でもそうなんです。慢心は厳禁。
一つとして同じ人間模様などあるはずもなく、毎回が真剣勝負なのです。

依頼人様のために、また自分自身のためにも、カバのようなツルツル脳みそに少しでもシワを増やそうと日々格闘している土谷なのでした。

月記メニューに戻る