コラム|出張帰りの出会い☆

出張帰りの出会い☆

こんにちわ。土谷一樹です。
何だか最近はお天気が崩れ気味で、雨の中のバイク移動は辛いです。
ニュースでもやっていましたが、沖縄はもう梅雨入りだそうです。
ココロも体にもカビが生えてきそうなこれからの季節ですが、全くめげずに元気あふれる、いやあふれすぎてる人々がいるようです。

どうも職業柄なのか、それともちょっと変わった人々を惹きつける魅力があるのか、蜜に群がるアリのようにボクの周りに集まってきます(泣)

これはボクだけの現象かと思っていたら、なんと例のコワイ先輩も実はそうだったということが判明しました。
今回は「番外編」ということで、脱線しつつもそんな人たちと話を少々・・・。

それは、ある地方出張の帰り・・・。

羽田空港から京急に乗り、品川駅へ。
ハードな出張のあとだったので、ボクも先輩も疲れきっていました。
先輩は大門乗り換えで大江戸線へ、土谷は山手線に乗り換えです。

別れてから、10分後・・・。

席に座り、ウトウトし始めたボクの耳に拍手のような音が聞こえてきました。
「はて、何が起きたんだ?」
寝ぼけマナコをこすりつつ、キョロキョロ周囲を見回す土谷。
その目に飛び込んできたのは楽器を片手に乗客に愛想を振りまく異国のお人!
「なぜに? WHY??」
わけがわからずにいる土谷を尻目に、異国の方々はギター、バイオリン、笛(みたいなの)を手に取り、『スタンドバイミー』を演奏し始めたのです。

「おいおいっ! 電車の中だべ! いいのか!? 許されるのかぁぁ!?JR東日本が許してもこの土谷が許さん!!」 

と、大きな声で言いたいところでしたが、紳士な土谷は心の中でそっと思うだけにとどめて置きました(弱)

彼らの演奏は、音楽に関しては素人の土谷でもわかってしまうほど、

    "テキトー "でした。 

乗客たちは半ばあきれながらも、パラパラとまばらな拍手をしました。
すると何を勘違いしたのか、この異国人。

  『イエスタディ』を演奏し始めました。 

日本人をナメてます。
美空ひばりでも演奏してみろってんだ!
そんな土谷の気持ちなどおかまいなしに続けられていく陽気な演奏・・・。

この憤りを先輩に報告せねば、と携帯を取り出したときです。
信じられないことが起きたのは!!

 帽子を手に持ちカネを要求するアルシンドハゲの異国人・・・ 

逃げ場のない乗客相手にそれはないだろっ! 

友達と笑っていた巨乳OLも、難しい顔をした七三サラリーマンも子供をあやしていた人妻も、ニヤけた不倫カップルも

     一様に 顔面硬直 です。 

鼻先に突き出された帽子に戸惑いが隠せません。

お調子者の酔っ払いがカネを入れると、なぜかそいつに非難100%の視線が突き刺さります。

     さすが日本国民! 

異国の方々もそんな雰囲気に気づいたのか、次の駅で下車していきました。
しかし恐るべし。降りるときに
「またねー。バイバイ」
と捨て台詞。

     "また"があってたまるかい! 

と一人突っ込みながら早速先輩に報告しました。
すると即座に返信が。
おっ、さすが先輩。レスがはえーな、と思いながら本文を見ると・・・
ボクのメール内容に対する返信ではなかったのです。
先輩も出会っていたのです。もっと強烈なキャラクターに・・・。

遭遇場所は大江戸線大門駅ホームにあるベンチ。
ボクと同様、いやそれ以上に疲れていた先輩は当然腰を下ろします。
大きな旅行カバンを横の空いた席に置き、ほっと一息。
なにげなく足元に目線をやるとそこにはなにやら不穏な水溜りが。
そのときようやく気づいたのです、周囲に人がいない理由に・・・。

「うっ、この臭気。疲れた脳みそに強烈にキクぜ。」

水溜りから上にと目線を上げていくと、茶色く汚れたストッキングが目に飛び込んできました。おそるおそるさらに上へと目を向けるとそこにはベンチに腰を掛けている婆さんの顔が・・・。

  そーです。盛大にお漏らしされていたのです。 

      しかも"実"の方を!! 

あわてて席をたち、タイミングよく入線してきた電車に飛び乗る先輩。
鼻腔の奥にくすぶる臭気を何度も追い払い、走り去る電車の窓からホームの老女に目をやると、そこには悲哀の表情を浮かべ見送る姿が・・・。

「すまねぇ、婆さん。俺は何の力にもなれない。」

そんなことを胸の内から悲痛な想いで語りかける先輩。

     ・・・ていうか、もう手遅れです(悲) 

うしろ髪引かれる思いで大門駅を後にした先輩は、狭い大江戸線の中でまたしても遭遇してしまったのです。

--そのとき土谷に送られてきたメール--

  『目の前で1円玉ブスとスーツを着たチンパンジーが車中で接吻してます。』

※1円玉ブス=くずしようがない

--(原文ママ)--

ご愁傷様です。  ちーん です。

罰です・・・。  天罰です。
哀れな老女を見捨てたバツです。

先輩はその後たっぷり30分間、満員電車の車内の中、顔から1尺ほどの地獄的な距離でアツイ、いや、熱すぎる光景と対峙せざるをえないのでした。

疲れた心身にムチ打って、帰途につく電車に揺られながら修学旅行のときにM先生から言われたことをシミジミ思い出します。

「家に帰るまでが修学旅行だ。気を抜くんじゃない。」

      抜、抜かせてください・・・ 

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